四酸化二窒素(読み)シサンカニチッソ

デジタル大辞泉 「四酸化二窒素」の意味・読み・例文・類語

しさんか‐にちっそ〔シサンクワ‐〕【四酸化二窒素】

二酸化窒素を冷却して得られる無色固体気体状態では二酸化窒素と平衡混合物になり、淡黄色を呈する。ロケット燃料酸化剤などに用いられる。化学式N2O4

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

化学辞典 第2版 「四酸化二窒素」の解説

四酸化二窒素
シサンカニチッソ
dinitrogen tetraoxide

N2O4(92.01).二酸化窒素を冷却すると無色の固体として得られる.融点-9.3 ℃.液体は淡黄色であるが,この色は二酸化窒素の存在による.沸点21.2 ℃ では約1% のNO2を含む.気体は高温になるほどNO2が増し,100 ℃ で約90% NO2となる.アルカリ金属と反応して硝酸塩一酸化窒素を生じる.液体はNOとNO3に分解しやすい.液体N2O4は無水硝酸塩をつくるときの溶媒,宇宙機ヒドラジン燃料の酸化剤などに用いられる.大気汚染物質(NOx)の一種である.[CAS 10544-72-6]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の四酸化二窒素の言及

【酸化窒素】より

…アルカリに溶かすと亜硝酸塩を生ずる。
[二酸化窒素nitrogen dioxide,四酸化二窒素dinitrogen tetroxide]
 前者の化学式はNO2,後者はN2O4。分子構造は表に示すように,NO2は折れ線構造であり,N2O4の安定な構造はNO2の二量体である。…

※「四酸化二窒素」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android