四十九所神社(読み)しじゆうくしよじんじや

日本歴史地名大系 「四十九所神社」の解説

四十九所神社
しじゆうくしよじんじや

[現在地名]高山町新富

現高山町役場南東の弓張ゆみはり城跡北麓にある。祭神天照大神・豊宇気毘売大神など計四九柱。旧県社。創建の時期は不明だが(三国名勝図会)、永観二年(九八四)肝付氏の祖伴兼行が伊勢神宮の内宮・外宮を勧請したのが始まりとも伝える(鹿児島県神社誌)。弘安六年(一二八三)一一月一七日の伴兼石・兼藤連署和与状(肝付文書)の神文に当郡鎮守四十九所大明神とある。当時は田地などを多く寄付されたといい、初めは祭田二三町、中頃は高一〇八石とされる(三国名勝図会)。正応六年(一二九三)四月三日の名越道鑑書下(肝付文書)地頭代が鎮守神人を雇仕することが停止されており、この鎮守があるいは当社のことかと考えられる。永享六年(一四三四)六月二四日の肝付兼政・兼直連署契状(肝付文書)など肝付氏が記した契状の罰文には霧島六所権現、新田八幡などと並んで四十九所大明神が記されており、室町期にも肝付氏に信仰されたことがわかる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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