囁・私語・耳語(読み)ささやく

精選版 日本国語大辞典 「囁・私語・耳語」の意味・読み・例文・類語

ささ‐や・く【囁・私語・耳語】

〘自カ五(四)〙 (「やく」は接尾語)
ひそひそと話す。私語する。声をしのばせる。人にこっそり言う。そっと耳打ちする。ささめく。そそやく。また、比喩的に、草木、川などが小さな音をたてる。
※平松本大鏡(12C前)三「せめてささやくものから、てを打ちて仰ぐ」
浮世草子日本永代蔵(1688)二「耳たぶによらせられ、小語(ササヤキ)給ふは」
② こそこそとうわさをする。
万葉(8C後)七・一三五六「向つ峯(を)に立てる桃の樹成らめやと人そ耳言(ささやく)(な)が情(こころ)ゆめ」
太平記(14C後)三四「今度の軍如何様にも墓々しからじと私語(ササヤ)く人も多かりけり」
[補注]「ささ」は擬声語で、「ささめく」が音が聞こえることに主意があるのに対して、「ささやく」は話し合う行為に主意がある。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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