嘗尽・舐尽(読み)なめつくす

精選版 日本国語大辞典 「嘗尽・舐尽」の意味・読み・例文・類語

なめ‐つく・す【嘗尽・舐尽】

〘他サ五(四)〙
全部なめてしまう。
吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉一〇「鮑貝の中を覗いて見ると案に違はず、夕べ舐め尽した儘」
② あらゆる苦しい事やつらい事を経験する。
四河入海(17C前)二一「千乗千能の二人は、少より平生艱難を嘗尽て」
③ 火が、あたりの物を全部焼いてしまう。
※東京灰燼記(1923)〈大曲駒村〉四「東京市中を舐(ナ)め尽した焔の舌は」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報