嘔吐(文学)(読み)おうと

百科事典マイペディア 「嘔吐(文学)」の意味・わかりやすい解説

嘔吐(文学)【おうと】

サルトル小説。1938年刊。ロカンタンは歴史研究のため北仏の小都市に滞在しているが,ある日,公園マロニエの木の根を見ていたとき,〈なにか〉を感じる。やがてそれは〈嘔吐〉であり,事物の〈存在〉を意識したことによって生じることを知る。日記体の長編小説で,作者の文学的・哲学的出発を示す重要な作品

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