20世紀日本人名事典 「嘉村 礒多」の解説
嘉村 礒多
カムラ イソタ
昭和期の小説家
- 生年
- 明治30(1897)年12月15日
- 没年
- 昭和8(1933)年11月30日
- 出生地
- 山口県吉敷郡仁保村(現・山口市仁保)
- 学歴〔年〕
- 山口中(現・山口高)〔大正3年〕中退
- 経歴
- 少年時代から文学書を多く読み、中学中退後も半農生活をしながら独学する。大正7年結婚するがまもなく妻との不和に悩むようになる。13年山口市の私立中村女学校の書記となり、生徒の求道会の指導にあたったが、14年妻子をすてて上京し、帝国酒醬油新報社に勤務。15年「不同調」の記者となる。昭和3年「業苦」「崖の下」を発表して文壇に注目され、4年「近代生活」同人となり、5年「崖の下」を刊行。私小説の極北を示す短篇作家として、以後「途上」「神前結婚」などを発表した。「嘉村礒多全集」(全2巻、桜楓社再刊)がある。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報