唐木細工（読み）カラキザイク

デジタル大辞泉

からき‐ざいく【唐木細工】

唐木で、机・茶だんすなどを細工・製造すること。また、その細工物。

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

からき‐ざいく【唐木細工】

〘名〙 唐木で机、筆台、茶棚などを細工すること。また、その細工物。

※浮世草子・好色一代男（1682）七「唐木細工(カラキザイク)の根付」

出典　精選版 日本国語大辞典

改訂新版　世界大百科事典

唐木細工 (からきざいく)

木工の一技法。唐木とはシタン，コクタン，タガヤサン，カリンなど南方から輸入された硬質材を総称し，もと中国を経て渡来したのでこの名がある。これらは工作にも特殊な技術を要するので唐木細工と称し，専門の指物師によって扱われている。奈良時代に遣唐使などによる大陸文化の移入により，唐木細工の調度類やその手法が取り入れられた。それらは正倉院宝物のうちに数多くのこり，高度な技巧を伝えている。平安時代以降はその素材が稀少であるため，清涼殿の紫檀御倚子のような，もっぱら貴族の調度類などにのみ用いられた。近世に南蛮貿易が再開されて唐木材の輸入が行われるようになると，江戸時代中期以降再び唐木細工が勃興した。現在もその伝統を生かして大阪を中心に，座卓，棚物，衝立などの唐木家具が製作されている。
→木画
執筆者：木内 武男

出典　株式会社平凡社「改訂新版　世界大百科事典」