和知川原(読み)わちがわら

日本歴史地名大系 「和知川原」の解説

和知川原
わちがわら

南流する大淀川左岸に位置する。「上井覚兼日記」によると、天正一一年(一五八三)閏一月八日、宮崎地頭上井覚兼は折生迫の御崎おりゆうざこのみさき観音へ詣でた後、宮崎に帰り、鎌田兼政とともに「わち川原」の斎藤讃岐丞宅を訪れ一泊している。同一二年八月二四日、覚兼は和知川原に船を係留するのに都合のよい入江があるので、その付近に新村を起立するため和知川原を検分している。同書同年一二月二〇日条によると、和知川原に新町が立てられたが、このとき覚兼はまだ新町を見物していなかった。同月二六日頃から歳暮使者が覚兼のもとを頻繁に訪問するようになり、晦日には和知川原今町の者が訪れている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報