名草村(読み)なぐさむら

日本歴史地名大系 「名草村」の解説

名草村
なぐさむら

[現在地名]足利名草上町なぐさかみちよう名草中町なぐさなかちよう名草下町なぐさしもちよう

南北に細長い山地に広がる村で、北辺の駒戸こまと山中から南流する名草川が流域に谷状の沖積平地をつくる。東南は椛崎かばさき村、北から東は秋葉あきば山・山王さんのう嶽などの諸峰で、須花すばな坂・おお坂を経て安蘇あそ下彦間しもひこま村・上彦間村(現安蘇郡田沼町)に至る。西は藤坂ふじさか山・石尊せきそん山などの連峰で、藤坂峠を越えて松田まつだ村に至る。高階系図(清源寺蔵)によると、高師氏の弟頼基は文永二年(一二六五)足利庄内「丸木郷」を知行したとされ、以後南(名草)氏と称した。現在の名草下町に丸木の遺称地を残す。一説には頼基は紀伊国名草郷(現和歌山市か)におり、孫の宗継が足利に下向して正平年間(一三四六―七〇)に丸木郷を故地の名草に改めたともいう(名草由来記)。正長元年(一四二八)一〇月七日の関東公方足利持氏寄進状(鑁阿寺文書)に「名草郷」とみえ、同郷三分一(名草兵部大輔入道跡)が一切経料所として鑁阿ばんな寺に寄進されており、樺崎かばさき寺における毎月一五日の阿弥陀法会供料として同郷内田一町・在家一宇があてられている(「鑁阿寺樺崎縁起并仏事次第」同文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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