吉賀(町)(読み)よしか

日本大百科全書(ニッポニカ) 「吉賀(町)」の意味・わかりやすい解説

吉賀(町)
よしか

島根県南西端、鹿足(かのあし)郡にある町。2005年(平成17)六日市町(むいかいちちょう)と柿木村(かきのきむら)が合併して、吉賀町となった。高津川とその支流流域に位置し、安蔵寺(あぞうじ)山(1263メートル)などの山々に囲まれ、町域の92%は林野で占める。山口県に接し、経済活動も山口県との結び付きが多い。古くから吉賀地方とよばれていて、江戸時代は津和野藩領に属し、参勤交代に使われた街道に沿う宿場町市場町として繁栄した。現在は国道187号が通じ、中国自動車道の六日市インターチェンジも設置され、島根県の西の玄関口となっている。自然の豊かな中山間地域であるが、耕地が少なく、過疎化が進んでいる。稲作のほかに、高冷地野菜生産が盛んで、山陽地方や京阪神に出荷されている。またワサビシイタケ、クリ、リンゴなどの栽培も行われている。椛谷(かばだに)峡、長瀬峡などの景勝地があり、コウヤマキシャクナゲの自然林がみられる。注連川(しめがわ)地区の旧道面家住宅(どうめんけじゅうたく)は19世紀初期の農家建築で、国指定重要文化財。面積336.50平方キロメートル、人口6077(2020)。

[編集部]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android