吉田院(読み)よしだいん

日本歴史地名大系 「吉田院」の解説

吉田院
よしだいん

現吉田町の中央から南部一帯に比定される。治暦五年(一〇六九)一月二九日の藤原頼光所領配分帳案(禰寝文書)に「吉田院」とみえ、藤原頼光が大隅国内にあった所領を六人の子弟に宛給した際、当地の所領田畠が弟頼重に与えられている。大隅国建久図田帳には「吉田院十八丁二段 正宮領 本家八幡 地頭掃部頭」とあり、そのうち国領経講田(聖朝府国御祈祷料)一町を除く一七町二反が大隅正八幡宮(現鹿児島神宮)領で、不輸田六町二反(御供田二町・寺田七反・小神田三町五反)と応輸田一一町(万徳一町・公田一〇町)からなっていた。地頭掃部頭は幕府の重臣中原親能で、正八幡宮の訴えによって源頼朝により改替された(「吾妻鏡」元久元年一〇月一七日条)。建治二年(一二七六)八月日の石築地役配符写(調所氏家譜)には「吉田院廿丁九段」とあり、以下公田一五町(うち貢進田一町)・万徳七反・経田一町・寺田七反・小神田三町五反からなっていた。貢進田一町を除いた一九町九反は本名ほんみよう一〇町三反(正宮御供所清弘領)中納ちゆうのう四町八反(長太夫幸道領)宮浦みやのうら四町八反(二郎太夫清持領)の三名で構成され、それぞれ一町につき一尺の割合で右築地役が賦課されている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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