吉松郷(読み)よしまつごう

日本歴史地名大系 「吉松郷」の解説

吉松郷
よしまつごう

ほぼ現在の吉松町城を郷域としたと考えられる郷で、古くは筒羽野つつはの(村)とよばれたという。

〔中世〕

文明六年(一四七四)の行脚僧雑録(旧記雑録)には、北原(貴兼か)の持城として「吉松」とあり、この頃当地は北原氏の勢力下にあったようである。「真幸院記」によれば、永禄年間(一五五八―七〇)北原兼守が死去したあと、遺領をめぐり一族が争い、日向の伊東義祐などが遺領をうかがったのに対抗するために、北原氏の家臣おどり(現牧園町)城主の白坂兼信が守護島津氏に吉松・栗野くりのほかを献じたという。北原氏嫡流の兼親はのち島津氏より真幸まさき(現宮崎県えびの市など)を与えられ、吉松城には兼親の伯父を配していた。しかし兼親は伊東氏に内通したため真幸院を没収され、日置郡伊集いじゆう上神殿かみこうどの(現伊集院町)に移された。跡地は島津義弘が領したという。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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