吉備の志多道(読み)きびのしたみち

日本歴史地名大系 「吉備の志多道」の解説

吉備の志多道
きびのしたみち

異記 吉備の下道 古川(古河)古松軒著

成立 安永九年

解説 著者は当時下道郡岡田村に居住していた全国的に知られる地理学者。寛政二年刊の「備中諸事巨細導書」によれば、本書は元来全一一冊からなっていたと思われるが、現存するのは下道郡・賀陽郡の二冊のみで、しかもいずれも原本はない。下道郡の部は吉備群書集成第一輯所収。まず備中国大略図説、「和名抄」記載の備中の郡郷、式内一八社により備中の概説をしたうえ、下道郡内の名所・旧跡古墳・古社・古人など三四項目を記す。賀陽郡の部は岡山県総合文化センターなどに写本はあるが未刊。下道郡と同様に四三項目を立てる。両郡とも古松軒の他著と同じく絵図数枚が入っており、描写は巧みである。実地踏査を重んずる著者の、しかも郷土に関する著であるだけに、信頼すべき地誌とされる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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