合衆国憲法制定会議(読み)がっしゅうこくけんぽうせいていかいぎ(英語表記)Constitutional Convention

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「合衆国憲法制定会議」の意味・わかりやすい解説

合衆国憲法制定会議
がっしゅうこくけんぽうせいていかいぎ
Constitutional Convention

1787年5月 25日から9月 17日までアメリカのフィラデルフィアで開かれた合衆国憲法制定のための会議。表向きの目的は従来の地方分割的な連合規約の修正にあったが,実際には当初から中央集権的な新政府の樹立が目指された。 86年のアナポリス通商会議で A.ハミルトン提議によりこの会議の招集が議決され,ロードアイランドを除く 12邦の代表が参集。 74人の代表中 55人が会議に参加し,39人がこの憲法に署名した。代表の大半は,議長に選ばれた G.ワシントンをはじめ,B.フランクリンや J.マジソンら各邦の有産有識の名士によって占められた。会議では連邦議会の議員数を人口比例によるとするバージニア案 (大邦案) と各邦同数とするニュージャージー案 (小邦案) が対立し,結局下院は人口比例,上院は各邦同数という妥協が成立。また人口算定の基礎として奴隷5人を白人3人と数えること,奴隷を財産として課税の対象とすること,奴隷の輸入を 1808年までに廃止することで妥協した。この憲法草案は各邦の批准会議で激しい議論のうえ,翌 88年過半数の邦の賛成をもって発効した。

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