叢林・藪林(読み)そうりん

精選版 日本国語大辞典 「叢林・藪林」の意味・読み・例文・類語

そう‐りん【叢林・藪林】

〘名〙
灌木のしげみとはやし。樹木の群がってはえている林。
※妙一本仮名書き法華経(鎌倉中)三「そのくもよりいづるところの一味のみづに、草木叢林(ソウリン)(〈注〉クサムラハヤシ)、分にしたがひてうるほひをうく」
※三日幻境(1892)〈北村透谷〉上「老鶯の声を尋ねて鬱叢たる藪林(ソウリン)に分け入り」 〔班固‐西都賦〕
② (叢林) 仏語。多数の僧侶の集まり住む大きな寺。僧園。僧林。また、禅宗で、寺院修道、人事をふくめてその社会全体を指していう。檀林。
※正法眼蔵(1231‐53)重雲堂式「斎粥のとき、鉢盂の具足を地におとさんひとは、叢林の式によりて罰油あるべし」
※中華若木詩抄(1520頃)上「天下の奇才となりて、叢林を中興せんと思てある」 〔大乗義章‐一三〕
③ (叢林) 中世の禅宗で、特に京都・鎌倉の五山・十刹・諸山の官寺をいう。曹洞宗永平寺と臨済宗のうち大徳寺・妙心寺など五山派に属さない寺院を林下といって区別する。
蔗軒日録‐文明一七年(1485)正月八日「入夜炉間対充子、祝往事叢林

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