原色(読み)ゲンショク(英語表記)primary colour

デジタル大辞泉 「原色」の意味・読み・例文・類語

げん‐しょく【原色】

まぜ合わせて種々の色を作るもとになる色。一般には赤・青・黄の3色。光の場合は、赤・緑・青の3色。
まじりけのない、純度の高い色。強く派手な色。「原色ドレス
絵画複製印刷などで、原物・原画のもとのままの色。
[類語]三原色

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精選版 日本国語大辞典 「原色」の意味・読み・例文・類語

げん‐しょく【原色】

〘名〙
① 混ぜ合わせると、どんな色でも得ることができる基本的な色。一般には赤・黄・青色の三原色をいい、等量に混合すると黒になる。光の三原色は、赤、緑、青で、この場合は白(自然光)になる。
※桐畑(1920)〈里見弴〉鵜と鮎と「原色(ゲンショク)の赤や黄や青の筒を」
花物語(1919)〈吉屋信子雛芥子「原色(ゲンショク)をくどくどしく使ったけばけばしい絵看板に」

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改訂新版 世界大百科事典 「原色」の意味・わかりやすい解説

原色 (げんしょく)
primary colour

色材をいくつか混ぜ合わせると他の色ができ,同じ色材の組合せでも混ぜる量を変えると違った色ができる。このような混色現象は色材に限らずいろいろなところで見られる。色のついた照明光を混ぜる場合もそうである。またカラーテレビの場合はその現象を積極的に活用してもいる。このときある特定の色を選択すれば,少ない色数で多くの色を作り出すことができる。例えば赤,緑,青の3色である。これらは色の元ということで原色,あるいは三原色と呼ばれる。しかし測色学では原色という用語はなく,したがってこれは日常の俗称ということになる。測色学にこれに近い意味のものをさがすとそれは原刺激である。例えば互いに異なった色フィルターをつけた3台のプロジェクターを使って3色の光をスクリーン上に重ね,それぞれの強さを加減すると種々な色が再現される。いわゆる加法混色であり測色学の基礎になっているが,このときの三つの色光を原刺激といっている。元になる刺激光という意味であり俗称の原色と同じニュアンスをもっている。しかし測色学での三つの原刺激は,赤,緑,青に限られておらず,その色はほとんど何でもよい。二つを混ぜて第3のものにならなければ,実はどんな色でもよい。橙,青緑,紫でもよいし,黄,白,ピンクでもよい。こうなると俗称の原色のもつニュアンスとはだいぶ違ってくる。

 原色はまた,混じりけのない純粋な鮮やかな色という意味でも使われる。中間色に対応した使い方である。これも俗称である。あるいはまた色彩学や色覚学には心理的にユニークな色,それ以上分解できない色として赤,黄,緑,青の四つを掲げるが,これらにも原色ということばを使う人もあるかもしれない。このように原色というのはやや漠然とした内容をもつものといえよう。

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百科事典マイペディア 「原色」の意味・わかりやすい解説

原色【げんしょく】

(1)適当な割合で混合すれば他のすべての色が得られるような三つの色。加法混色では赤・緑・青紫(光の三原色),減法混色ではシアン・マゼンタ・黄(絵具の三原色)が実用される。この2組の原色は互いに補色となる。(2)色覚理論では,赤・緑・青紫を基本色とするヤング(1801年)・ヘルムホルツ(1852年)の三原色説,さらに黄を加えるE.ヘリングの四原色説(1874年)がある。→
→関連項目色覚

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「原色」の意味・わかりやすい解説

原色
げんしょく
primary colours

(1) 赤,青,緑の光の3色をいう。この3色を適当に選んで混ぜると,白色光を含めて他のどの色の光でも表わすことができる。ヒトの目の網膜にこの3色に対応する視神経があるためと考えられている。カラーテレビの画面構成要素となっている。 (2) 赤,青,黄の色の3色をいう。この3色の顔料を適当に選んで混ぜると,黒色を含めて他のどの色の顔料でもできるが,不透明が条件である。

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栄養・生化学辞典 「原色」の解説

原色

 あらゆる色は,赤,青,黄の三つの色から作られるとして,この三つの色を三原色とする.光の場合は,赤,青,緑を三原色とする.

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「原色」の意味・わかりやすい解説

原色
げんしょく

三原色

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