印鑰神社(読み)いんにやくじんじや

日本歴史地名大系 「印鑰神社」の解説

印鑰神社
いんにやくじんじや

[現在地名]七尾市府中町

府中ふちゆう町の海岸寄りに鎮座祭神は天目一箇命・市杵島姫命・火産霊命。旧村社。印鑰は国印と府庫の鍵を意味し、これが神格化して印鑰神社として祀られたという説がある。享保一六年(一七三一)の社記摘録(能登生国玉比古神社文書)では、天文元年(一五三二)能登守護畠山氏から米二石二斗の寄進があったと伝え、寛政一〇年(一七九八)の印鑰大明神縁起(松尾天神社文書)では、文禄(一五九二―九六)頃初代町奉行三輪藤兵衛が夢告により市右衛門に命じ、府中村よこ町の「アカマ田」の畑地から印鑰童子霊像・三千仏絵像・不動尊木像を掘出し、これを祀ったのが始まりという。

印鑰神社
いんにやくじんじや

[現在地名]大和町大字尼寺字尼寺

尼寺にいじにある印鑰神社は肥前国府の印とかぎを保管し祀った所と考えられるが、現在は大己貴神(大国主命)を祭神とする。

永徳二年(一三八二)八月、鑰山かぎやま城主鑰尼かぎあま季高が建立したものといわれるが、それ以前については不明。季高は同年久池井くちい出羽でわ玉林ぎよくりん寺を建立している。鑰尼氏にとって氏神・氏寺を建立する意図であったと考えられる。その後文明二年(一四七〇)に千葉氏の内紛による兵火によって国分寺などとともに焼失したといわれる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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