南阿蘇(読み)みなみあそ

改訂新版 世界大百科事典 「南阿蘇」の意味・わかりやすい解説

南阿蘇[村] (みなみあそ)

熊本県北東部,阿蘇郡の村。2005年2月久木野(くぎの),長陽(ちようよう),白水(はくすい)の3村が合体して成立した。人口1万1972(2010)。

南阿蘇村南西部の旧村。阿蘇郡所属。人口2547(2000)。阿蘇山の南に位置する。北部は阿蘇カルデラ火口原南郷谷の一角を占め,北境沿いを白川北西流する。南部は阿蘇外輪山の北斜面にあたる。農業が主産業で,米作とトマトを主とする高冷地野菜の栽培,畜産が盛ん。江戸初期に白川より引水する保木下,琵琶首,上川原の3本の水路が掘削されて400haの水田が生まれ,穀倉地帯となった。2006年新たにオープンした〈グリーンピア南阿蘇〉をはじめ,リゾートの村づくりが進む。阿蘇くじゅう国立公園に含まれる。

南阿蘇村北西部の旧村。阿蘇郡所属。人口5306(2000)。東部一帯は阿蘇山中央火口丘西斜面のなだらかな高原で,北西部は外輪山が占める。火口原を北西流する白川と南流する黒川が西部の立野(たての)付近で合流し,外輪山を切って西へ流れる。黒川沿いにJR豊肥本線,白川沿いを南阿蘇鉄道が走る。村内には栃木(とちのき),湯ノ谷,垂玉(たるたま),地獄の4温泉があり,ゴルフ場,国民宿舎もあって観光客,湯治客でにぎわう。農業は米作,タバコ,トマトなどの栽培,赤牛肥育を中心とした畜産を主とする。長野の岩戸神楽は無形民俗文化財に選択されている。

南阿蘇村北東部の旧村。阿蘇郡所属。人口4583(2000)。村域は北部の阿蘇中央火口丘の烏帽子(えぼし)岳,千里ヶ浜から火口原の南部,南郷谷中央部にかけての斜面に位置し,南縁を白川が北西へ流れる。白川にほぼ並行して南阿蘇鉄道線,国道325号線が走る。集落は国道沿いに散在し,中心は阿蘇白川駅北方の吉田新町である。稲作を中心にタバコ栽培,肉牛飼育が行われる。東部の白川にある吉見神社境内の湧泉は白川の主水源として知られる。阿蘇山の中岳へ通じる阿蘇登山道路吉田線が国道325号線から分岐する。阿蘇くじゅう国立公園に含まれる。
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