南種子(読み)みなみたね

改訂新版 世界大百科事典 「南種子」の意味・わかりやすい解説

南種子[町] (みなみたね)

鹿児島県種子島南部に位置する熊毛郡の町。人口6218(2010)。内陸部は数段の海岸段丘が発達し,起伏の多い丘陵地帯で,中央部には標高200m以下の台地が広がる。東西両海岸線は海食崖のため変化に富み,南部海岸には砂丘が発達している。南流する宮瀬川,郡川,鹿鳴川流域は島最大の水田地帯で,日本一早い極早生米の産地。農業が主産業で,ほかにサトウキビ,タバコ,サツマイモやポンカン,タンカンを主とするかんきつ類の栽培,畜産が盛んである。漁業はトビウオ,タイ類の漁獲が多い。南東部には宇宙開発事業団(現,宇宙航空研究開発機構)のロケット基地種子島宇宙センターがある。南西端の門倉崎は1543年(天文12)ポルトガル船が漂着して鉄砲を伝えた地で,〈鉄砲伝来紀功碑〉がたつ。南部の宝満ノ池は,入江が砂丘で区切られた淡水潟湖で,池畔には赤米田植神事で知られる宝満神社がある。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報