千厩(読み)せんまや

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「千厩」の意味・わかりやすい解説

千厩
せんまや

岩手県南端,一関市東部の旧町域。北上高地南部の丘陵地帯に位置する。 1898年町制,1956年小梨村,磐清水村,奥玉村の3村と合体。 2005年一関市,花泉町,大東町,東山町,室根村,川崎村の6市町村と合体して一関市となった。地名は中世以来のもので,千余の厩舎があったことに由来するともいわれる。江戸時代は仙台藩に領有され,砂金,砂鉄を産し,一関からの農産物気仙沼からの海産物を中継する気仙沼街道 (国道 284号線) の宿場町として発展した。北東端の室根山に発する千厩川が曲流しながら南西に流れ,その上・中流域耕地が開ける。タバコ,果樹栽培のほか酪農が行なわれる。昭和初期に製糸工場が立地,生糸生産で知られた。工場誘致も進んでいる。室根高原県立自然公園に属する。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「千厩」の意味・わかりやすい解説

千厩
せんまや

岩手県南部、東磐井郡(ひがしいわいぐん)にあった旧町名(千厩町(ちょう))。現在は一関(いちのせき)市の東部寄りを占める地域。1898年(明治31)町制施行。1956年(昭和31)小梨(こなし)、磐清水(いわしみず)、奥玉の3村と合併。2005年(平成17)一関市に合併。千厩の地名は、源義家(よしいえ)が安倍(あべ)氏を討った際に軍馬千余頭を係留したとか、馬産地で千余の厩舎(きゅうしゃ)があったことからつけられたという。JR大船渡(おおふなと)線、国道284号が通じる。旧町域の70%は山林原野で、丘陵地傾斜面を利用した葉タバコ栽培や養蚕が行われ、リンゴ団地造成にも力を入れている。県南地区の生産物集散地の一つ。旧専売局千厩葉煙草専売所の建物を利用したせんまや街角資料館がある。北東部の室根(むろね)山麓(ろく)は国民休養地に指定されている。

[川本忠平]

『『千厩町史』全5巻(1986~2005・千厩町)』

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改訂新版 世界大百科事典 「千厩」の意味・わかりやすい解説

千厩 (せんまや)

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