勢野茶臼山古墳(読み)せやちやうすやまこふん

日本歴史地名大系 「勢野茶臼山古墳」の解説

勢野茶臼山古墳
せやちやうすやまこふん

[現在地名]三郷町大字東信貴ヶ丘

勢野集落東北の丘陵最高所にあった前方後円墳。墳頂部の標高は一四二・三メートルであった。自然地形を利用した不整備な墳丘で、全長四〇メートル、後円部径二八メートル、前方部幅一八メートル、後円部高さ五メートル、前方部をほぼ南に向けていた。後円部に葺石帯状に敷かれ、形象埴輪を樹立していたらしい。西側くびれ部の横穴式石室は、長方形玄室に狭長な羨道部を取付けていた。玄室の長さ四・六メートル、中央幅三・六メートル、高さ三・六メートル、羨道の長さ五・四メートル、幅一・三メートル、高さ一・二五メートル、玄室は石積みの持送りを強くしてドーム状に、天井部は狭小に造られ、羨道は玄室の幅の半分と狭く高さもきわめて低く、通例の横穴式石室とは相違している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報