勝川渡(読み)かちがわのわたし

日本歴史地名大系 「勝川渡」の解説

勝川渡
かちがわのわたし

[現在地名]春日井市勝川町一丁目

往昔庄内川には橋がなく、舟をもって往来の便とした。瀬古せこ(現名古屋市)と勝川村を結ぶ渡しをいうが、渇水期の秋の末から春の末までは板橋を架け、水量の多い時期は舟渡が普通であった。

「徇行記」に「古義ニ勝川船渡一艘自分造作、船頭四人舟賃駄荷十文人六文、旱水ニハ渉リ也」とある。板橋の運上金は、享保八年(一七二三)から始まり、毎年一二月取立て、藩の郡奉行がこれを取扱った。藩は庄内川・矢田やだ川の渡しをもつ山田やまだ村・守山もりやま村・大野木おおのき村・安井やすい村・味鋺あじま(現名古屋市)・勝川村の村々から、毎年板橋運上金を上納させたが、橋番が渡賃をむさぼったので、天明期(一七八一―八九)に運上金をやめた(徇行記)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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