加賀ノ潜戸(読み)かがのくけど

日本大百科全書(ニッポニカ) 「加賀ノ潜戸」の意味・わかりやすい解説

加賀ノ潜戸
かがのくけど

島根県北東部、島根半島日本海海岸の景勝地。大山隠岐(だいせんおき)国立公園に含まれ、国指定名勝天然記念物玄武岩質集塊岩、凝灰岩、玄武岩などで構成される海岸が海食によって断崖(だんがい)絶壁洞穴を形成する。洞穴は加賀港入口の旧潜戸(高さ90メートル)と岬北端の新潜戸(高さ40メートル、洞穴の延長200メートル)からなる。旧潜戸には地蔵尊と賽(さい)の磧(かわら)があり、幼子の霊を祀(まつ)る。松江市島根町の加賀港から新潜戸洞穴まで、船底ガラス張りになっているグラスボートが運航される。近くに桂島(かつらじま)海水浴場がある。

[野本晃史]


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改訂新版 世界大百科事典 「加賀ノ潜戸」の意味・わかりやすい解説

加賀ノ潜戸 (かかのくけど)

島根県北東部,島根半島北岸の景勝で,日本海に突出する潜戸鼻先端の懸崖にある洞門洞窟をいい,名勝,天然記念物に指定されている。中生層を破って噴出した集塊溶岩,凝灰岩質集塊岩,玄武岩が海食をうけて生じた。岬の南側にある洞窟は旧潜戸と呼ばれ,洞内に方解石の脈をはさんで鍾乳石をつくり,天神,御乳石という。仏教信者は洞窟を賽(さい)の河原と呼んでいる。岬の北側にある洞門は新潜戸と呼ばれ,長さ約182mで,一直線をなす。《出雲国風土記》によれば,佐太大神がこの窟で生まれたという。
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百科事典マイペディア 「加賀ノ潜戸」の意味・わかりやすい解説

加賀ノ潜戸【かがのくけど】

島根県八束(やつか)郡島根町,島根半島北岸にある洞門と洞窟(名勝・天然記念物)。玄武岩,集塊岩などが海食により主洞約182mの洞門(新潜戸)と,入口の高さ9mの洞窟(旧潜戸。賽(さい)の河原とも)をなす。大山隠岐国立公園に属し,松江からバス
→関連項目島根[町]

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