剞劂(読み)キケツ

デジタル大辞泉 「剞劂」の意味・読み・例文・類語

き‐けつ【××劂】

《「剞」は曲がった刀、「劂」は曲がったのみの意》
彫刻用の小さい刃物。
彫刻すること。また、彫刻したもの。
版木を彫ること。また、印刷上梓じょうし

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「剞劂」の意味・読み・例文・類語

き‐けつ【剞劂】

〘名〙 (「剞」は曲がった刀、「劂」は曲がった鑿(のみ)の意)
① 彫刻用の刀。〔楚辞‐哀時命〕
② (━する) 彫刻すること。また、彫刻したもの。
※本朝文粋(1060頃)四・貞信公辞摂政、准三宮等表〈大江朝綱〉「搆散木而為材、剞劂之美何在」
※米欧回覧実記(1877)〈久米邦武〉二「『スコット』の像などは、剞劂活るが如し」
③ (━する) 板木(はんぎ)を彫ること。転じて印刷。上梓(じょうし)
※日本詩史(1771)凡例「嚢橐既竭、剞劂殊艱」
※滑稽本・八笑人(1820‐49)五「一員(ひとひら)二員草稿成しを、傭書(ようしょ)剞劂を労して」
④ 「きけつし(剞劂氏)」の略。
※狂詩・寝惚先生文集(1767)序「速授剞劂(キケツ)、沽之哉、沽之哉」

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