刈・苅(読み)かり

精選版 日本国語大辞典 「刈・苅」の意味・読み・例文・類語

かり【刈・苅】

[1] 〘名〙 (動詞「かる(刈)」の連用形の名詞化) 草木や、稲、麦などを、刈り取ること。かりいれ。
古今(905‐914)恋五・七五五「うきめのみおひてながるる浦なればかりにのみこそあまはよるらめ〈よみ人しらず〉」
[2] 〘接尾〙 刈り取った稲の束(たば)を数えるのに用いる。田の面積や年貢納高を知る規準として古くから用いられ、江戸時代には中部・東北地方に多く用いられた。一〇刈当たりの面積は時代により、また地味、気候、水利条件などによって異同がはなはだしく、一反歩三〇束から五〇〇束までの開きがあった。
上杉家文書‐(年月日未詳)(室町)長尾飯沼氏等知行検地帳「増分弐万八千四百弐十刈」

か・る【刈・苅】

〘他ラ五(四)〙
① 草木、頭髪など、むらがって生えているものを短く切りさる。切り払う。
古事記(712)上「天の八十毘良迦(やそびらか)を作りて海布の柄を鎌(かり)て、燧臼(ひきりうす)に作り」
方丈記(1212)「むなしく春かへし、夏植うるいとなみありて、秋かり冬収むるぞめきはなし」
② 演劇用語。俳優や時間の都合で、上演中の脚本一部を省略する。一部の場面を抜いて上演する。「脚本の一部を刈って上演する」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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