切盤(読み)きりばん

精選版 日本国語大辞典 「切盤」の意味・読み・例文・類語

きり‐ばん【切盤】

〘名〙 食物などを包丁で切るときに用いる板。まないた。
東寺百合文書‐を・宝徳三年(1451)一〇月七日・彼方寿阿彌華蔵庵器具注文「くりのへやの分〈略〉きりばん 三」
浄瑠璃嫗山姥(1712頃)一「夕飯の、拵(こしらへ)いそぐ薄刃の音の〈略〉ちょっきり切ばん百人前を」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の切盤の言及

【台所】より

… 江戸時代の農家や町家の多くでは,食物調製のための流し,いろり,かまど,食器棚などが,かなり離れた位置にあり,厨房と呼べる部屋は存在しなかった。このような家では切盤(きりばん)と呼ばれる大きなまな板を適当な場所に運んで調理を行った。これとよく似た状態は,中世の絵巻に描かれた台所に見られ,《松崎天神縁起》(14世紀)の銅細工師の家の台所では,いろりの脇に切盤を据えて鯉を料理しているが,流しやかまどは見えない。…

※「切盤」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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