切口・截口(読み)きりくち

精選版 日本国語大辞典 「切口・截口」の意味・読み・例文・類語

きり‐くち【切口・截口】

〘名〙
① 物を切り放したときにできる、その切り放された面。小口(こぐち)切断面。切り小口。
今昔(1120頃か)二六「切口(きりくち)三寸・長さ五尺の暑預(やまのいも)
② 切疵(きりきず)の口。傷口。切り小口。
※太平記(14C後)二一「腹かき切り、腸繰り出し、判官の首の切口を陰し、上に打ち重なって」
③ 切る方法、あるいは腕前。特に、批判を加えたり、物事を分析したりする際の視点や手法、手並み。
※狂言記・悪坊(1660)「今のさへやうがおもしろうおぢゃる。そのからかさの切口を見せう」
④ 墨の硯(すずり)に接する面。
※玉葉‐治承二年(1178)正月五日「入水於硯、置硯瓶於本所、取墨先見切口
書物などをつくる紙を折って重ね、切り揃えた部分。とくに、背、天、地以外の部分(前小口)をいう。
※米欧回覧実記(1877)〈久米邦武〉一「毎紙を折り、之を重ね、編釘して冊となし、標紙を付け、切口に金を摺るに至るまで」
⑥ 立体を、ある面が切断したと仮定したときにできる断面図形。截断面。
※西洋家作雛形(1872)〈村田文夫・山田貢一郎訳〉一「第四図及び第五図に於て、銕又は陶器を以て作るべき水漏の断面(キリクチ)、并に平面を出す」
紋所の名。梨の実を上から下に切り放したときの切断面の模様にかたどったもの。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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