出揃（読み）でそろう

精選版 日本国語大辞典

で‐そろ・う ‥そろふ【出揃】

〘自ワ五（ハ四）〙

① すべてがそろって出る。全部残らず出る。

※狂歌・銀葉夷歌集（1679）二「出そろひてその穂先とはみえざりし小麦は跡に残る田畠」

※門（1910）〈夏目漱石〉一四「二日目になって漸く学校へ出て見ると、教師はまだ出揃(デソロ)ってゐなかった」

② 芝居で、総幕を残らず上演する。初日から数日間は上演時間が延びがちで、一部を省略して演ずることが多かった。

※大つごもり（1894）〈樋口一葉〉上「一昨日出(デ)そろひしと聞く某(それ)の芝居」

出典　精選版 日本国語大辞典