円鍔勝三(読み)えんつばかつぞう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「円鍔勝三」の意味・わかりやすい解説

円鍔勝三
えんつばかつぞう
(1905―2003)

彫刻家本名勝二(かつじ)。広島県に生まれる。日本美術学校彫刻科在学中の1930年(昭和5)第11回帝展に『星陽』が初入選、32年日本美術学校卒業、沢田政広に師事した。39年第3回文展で特選受賞、51年(昭和26)以来日展審査員、65年の日展で文部大臣賞、66年日本芸術院賞を受賞、70年日本芸術院会員となった。木彫に明るい叙情性を盛り込み、82年には文化功労者に選ばれ、88年文化勲章を受章した。多摩美術大学名誉教授。長く多摩美術大学で後進を指導した。

三木多聞

『『円鍔勝三彫刻集』(1983・実業之日本社)』『円鍔勝三著『わが人生』(1989・時の美術社)』

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「円鍔勝三」の解説

円鍔勝三 えんつば-かつぞう

1905-2003 昭和-平成時代の彫刻家。
明治38年11月30日生まれ。石割秀光にまなぶ。昭和5年帝展に初入選。16年沢田政広らの正統木彫家協会の創立に参加。22年多摩造形芸術専門学校(現多摩美大)教授。詩情ゆたかな人物像がおおい。「旅情」で40年日展文部大臣賞,41年芸術院賞。45年芸術院会員。63年文化勲章。平成15年10月31日死去。97歳。広島県出身。日本美術学校卒。本名は勝二。作品に「砂浜」「しろうさぎ」など。

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