六斎(読み)ロクサイ

デジタル大辞泉 「六斎」の意味・読み・例文・類語

ろく‐さい【六斎】

六斎日」の略。
六斎念仏」の略。 秋》
1か月のうち、日を6回定めておき、定期的に事を行うこと。また、その日。
一月いちげつに―づつ、是より外はと誓文のうへ、魚鳥も食ひ」〈浮・一代女・二〉

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精選版 日本国語大辞典 「六斎」の意味・読み・例文・類語

ろく‐さい【六斎】

〘名〙
万葉(8C後)五・沈痾自哀文「謂常執弓箭六斎値禽獣不大小孕及不孕並皆殺食以此為業者也」
※今鏡(1170)二「殿上のだいばんなども六さいにかはることなかりけり」 〔十誦律‐五七〕
② 毎月六回、あらかじめ日を定めて定期的に事を行なうこと。また、その定められた日。
(イ) 五日おきなど、月に六回市を立てるものをいう。→六斎市
※上杉編年文‐三二・慶長一一年(1606)四月二八日(古事類苑・産業二五)「定 横越村新町〈略〉一、市之日、三日、八日、六斎たるべき事」
(ロ) 江戸時代、①を利用した奉公人男女の密会をいう。
※俳諧・望一後千句(1652)三「当世の奉公人はをろかにて いらぬありきは月に六さい」
(ハ) 江戸時代、茶の湯その他の芸事で、月六回定期的に行なわれる稽古をいう。
人情本・春色梅児誉美(1832‐33)初「月に六斎(ロクサイ)、近所のおやしきへお出だから」
③ 「ろくさいねんぶつ(六斎念仏)」の略。《季・秋》

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世界大百科事典(旧版)内の六斎の言及

【六斎市】より

…中世から近世にかけて月のうち6回開かれた定期市。六斎とは仏教上の用語で月6日の戒を持して身をつつしむべき日のことで,六斎市も当初はこの六斎日にちなんで開かれたので,このようによばれたものであろう。しかし南北朝時代以降になると,それとは関係なく,もっぱら各地の経済的必要にもとづいて特定の日に開かれるようになった。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」