八風峠(読み)はつぷうとうげ

日本歴史地名大系 「八風峠」の解説

八風峠
はつぷうとうげ

永源寺町の東、三重県三重郡菰野こもの町との境にある。標高九三八メートル。中・近世には近江と伊勢を結ぶ八風街道の国境の峠で、峠を越える道は八風越・田光たびか越などともよばれた。元久元年(一二〇四)二月、伊勢・伊賀両国で平氏残党が蜂起して二国を占領、鈴鹿関と「八峯山」などの道を押えた(「吾妻鏡」同年三月九日条)。この「八峯山」は八風峠をさすと思われ、鈴鹿関と並ぶ交通・軍事上の要衝であったことをうかがわせる。中世後期には南の千草ちぐさ越とともに山越四本商人(主として保内商人)の主要商業路として利用された。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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