八房(読み)ヤツブサ

デジタル大辞泉 「八房」の意味・読み・例文・類語

やつ‐ぶさ【八房】

八つの房をもつこと。多数の実が房状をなすもの。
トウガラシ変種。茎はまっすぐ伸び、先に細長い実が集まって上向きにつき、赤く熟す。キムチなどに用いる。てんじょうまもり。てんじくまもり。

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精選版 日本国語大辞典 「八房」の意味・読み・例文・類語

やつ‐ぶさ【八房】

〘名〙
① 八つの房になっていること。多くの実が房状をしているもの。
② トウガラシの栽培品種。高さ約六〇センチメートル。葉は枝の先端に集まってつき、果実も枝の先端に密集して直立する。果実を食用辛味料にするため栽培される。てんじくまもり。てんじょうまもり。《季・秋》
※雑俳・柳多留‐八二(1825)「四谷の八(やツ)房日光へ歩にとられ」

やつふさ【八房】

江戸後期の読本滝沢馬琴の「南総里見八犬伝」に登場する犬の名。

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動植物名よみかた辞典 普及版 「八房」の解説

八房 (ヤツブサ)

学名Capsicum annuum var.fasciculatum f.erectum
植物。ナス科一年草

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世界大百科事典(旧版)内の八房の言及

【トウガラシ(唐辛子)】より

…その後,系統選抜,交雑育種が行われてきたが,昭和40年代以降,甘味種(ピーマン)の栽培の増加とは逆に,辛味種の栽培面積は減少し,育種もほとんど行われていない。辛味種の代表的な品種は鷹の爪(つめ),栃木三鷹,八房などで,葉トウガラシ用として伏見辛などがある。 世界各地で栽培されているため,トウガラシの品種群(変種)をどのようにまとめるかについては異なった意見がある。…

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