全日本無産青年同盟(読み)ぜんにほんむさんせいねんどうめい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「全日本無産青年同盟」の意味・わかりやすい解説

全日本無産青年同盟
ぜんにほんむさんせいねんどうめい

昭和初期の合法的左翼青年運動組織。1926年(大正15)8月、大阪において、前年9月ごろからの準備活動や地方組織の結成を踏まえて、日本労働組合評議会の青年活動家を中心に、全国水平社、日本農民組合、大学の社会科学研究会の青年を結集して結成された。同盟は、前年7月ごろ再建された非合法下の青年共産同盟によって指導されていた。結成時の委員長は片山久(ひさし)。「本同盟は労農青年大衆の政治的経済的および社会的利益の獲得に努力しその生活の向上を期する」などの綱領をもち、労働農民党を支持、「兵役短縮」「満期後の就職要求」「満18歳以上の選挙権被選挙権獲得」などの活動を行った。最高時で同盟員は1万余といわれる。28年(昭和3)4月10日、労働農民党、日本労働組合評議会とともに結社禁止処分を受けた(三・一五事件による弾圧一環)。その後、再建活動が続いたが、共産青年同盟強化・合法組織不要への日本共産党の方針転換により、打ち切られた。

[青木哲夫]

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