全政寺(読み)ぜんしようじ

日本歴史地名大系 「全政寺」の解説

全政寺
ぜんしようじ

[現在地名]西城町西城

西城川西方の明神みようじん山東麓にある。亀尾山永照院と号し、浄土宗本尊阿弥陀如来。「芸藩通志」に「元亀初年、林頓慶開基、京都誓願寺貫主僧日快を開山とす」とある。開基の林頓慶については、同書に「明人林頓慶(中略)漂流して石見国に来り、遂に留て出雲国松江に僑居す、これを宗祖とす、宮景盛郡内に城居するに及て、頓慶を招き宅地を与ふ、西城に居らしめ禄を給す、頓慶医に精し、また武事を講ず、(中略)子孫世々医を業とす、今の頓圭まで九世」とある。頓慶は元亀元年(一五七〇)、後に「醒酔笑」を著し安楽庵策伝として知られる僧日快を招き開山とし、当寺を建立したという。日快は天正五―六年(一五七七―七八)頃から西国各地で活発な布教活動を行っており、当寺の創建年代を天正六年とする説もある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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