入来町(読み)いりきちよう

日本歴史地名大系 「入来町」の解説

入来町
いりきちよう

面積:七二・三八平方キロ

薩摩郡の南部に位置し、西は樋脇ひわき町、北は宮之城みやのじよう町・答院けどういん町、東は姶良あいら蒲生かもう町、南は日置郡郡山こおりやま町。南部は八重やえ(六七六・九メートル)を中心とする八重山塊、東部は蒲生町および答院町と境をなす山地が占める。前川内まえごち川と後川内うしろごち川が北西流し、狭長な沖積平地を形成している。町域を南北に国道三二八号、中央部を東西に主要地方道川内せんだい加治木かじき線が通る。遺跡は最近の分布調査や発掘調査によって六七ヵ所(歴史時代も含む)が確認され、近隣の市町村では多いほうである。旧石器時代では松山まつやまさこ遺跡・床並とこなみB遺跡・鹿村しかむらさこ遺跡などで発掘調査が行われ、終末期の細石器などが多数出土している。縄文時代では松山ヶ迫遺跡から手向山式土器や塞ノ神式土器の早期の遺物やそれに伴う珍しい壺形土器などが多数出土している。そのほか床並A遺跡や牧内段まきうちだんB遺跡・後迫うしろざこ遺跡・市口いちくち遺跡・中山なかやまC遺跡などからは、吉田式土器や石坂式土器・押型文土器等の早期の遺物が出土している。西にしはら遺跡からは後期の指宿式土器等が出土した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報