光解離(こうかいり)(読み)こうかいり

日本大百科全書(ニッポニカ) 「光解離(こうかいり)」の意味・わかりやすい解説

光解離(こうかいり)
こうかいり

分子光量子の働きにより、その成分の原子に分かれること。光解離(ひかりかいり)ともいう。たとえば大気中の酸素は、高層に拡散した水蒸気太陽紫外線による光解離反応によって生じたものである。大気中には高度25キロメートルを中心としてオゾン(O3)層があるが、この形成も、太陽紫外線が関与した光解離が、その反応の一部になっている。すなわち
  O2(酸素分子)+hν(太陽からの紫外線)―→O+O(酸素原子)
の反応により酸素原子が形成され、この酸素原子が酸素分子と共存する層では、分子(M)を触媒として
  O2+O+M―→O3+M
とオゾンが形成される。なおhはプランク定数、νは光量子の振動数である。

根本順吉

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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