元素の宇宙存在度(読み)げんそのうちゅうそんざいど

百科事典マイペディア 「元素の宇宙存在度」の意味・わかりやすい解説

元素の宇宙存在度【げんそのうちゅうそんざいど】

宇宙あるいは太陽系の惑星隕石(いんせき)などに存在する各種の元素同位体も含めた核種)の絶対的(重量比)または相対的(おもにSi=106個と比較した原子比)存在量を示す数値。宇宙における各種の物質系について元素や核種の存在量は,望遠鏡による分光学的方法,隕石の分析などをもとに求められる。宇宙全体の元素存在度では水素が最も多く,ヘリウム酸素ネオン炭素,窒素,ケイ素の順。一般に軽い元素は質量数が4の倍数の核種が多い。元素存在度に関してはオド=ハーキンズ法則があり,これによると,一般に原子番号が偶数のものは隣接する奇数の原子番号のものより多い。
→関連項目クラーク数

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世界大百科事典(旧版)内の元素の宇宙存在度の言及

【地球】より

…地球物質のなかで化学分析値が得られているのは地殻のごく表層の物質に限られており,残りの大部分の化学組成は妥当な仮定にもとづく推定によらざるをえないからである。 地球の材料物質の化学組成,いいかえれば地球が生まれるもととなった原始太陽星雲の化学組成は,〈元素の宇宙存在度〉として求められている。この宇宙存在度は,現在入手できる太陽系内物質で最も始源的な,つまり原始太陽星雲の組成を保存している,と考えられているある種の炭素質コンドライト隕石の化学分析値と,太陽大気の分光学的に測定された化学組成などをもとに求められた。…

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