傀儡師・傀儡子(読み)かいらいし

精選版 日本国語大辞典 「傀儡師・傀儡子」の意味・読み・例文・類語

かいらい‐し クヮイライ‥【傀儡師・傀儡子】

〘名〙
人形つかい。古くから存在した一種の放浪生活者で、曲芸歌舞を業とした。特に、江戸時代、首に人形箱をつるし、その箱の上で人形をあやつって門(かど)付けをして歩く乞食芸人をいう。傀儡。くぐつまわし。《季・新年》
※本朝無題詩(1162‐64頃)二・傀儡子中原広俊〉「傀儡子徒無礼儀。其中多女被人知」 〔顔氏家訓‐書証〕
② ①の風俗などを取り入れた歌舞伎舞踊河東節長唄清元節などにある。
かげで人をあやつって思いのままに行動させる者。
※三日幻境(1892)〈北村透谷〉下「政治界の傀儡子(カイライシ)となり畢ることもなく」

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