俳諧・誹諧(読み)はいかい

精選版 日本国語大辞典 「俳諧・誹諧」の意味・読み・例文・類語

はい‐かい【俳諧・誹諧】

〘名〙
① たわむれ。おどけ。滑稽。諧謔(かいぎゃく)
奥義抄(1135‐44頃)下「もろこしによしのの山をおけるに、誹諧の心はある歌とぞ見えたまふる」 〔新唐書‐鄭綮伝〕
② 「はいかいか(俳諧歌)①」の略。
※奥義抄(1135‐44頃)下「誹諧は非王道して、しかも述妙義たる歌也」
③ (「はいかいれんが(俳諧連歌)」の略) 室町末期、山崎宗鑑・荒木田守武などのころから行なわれた卑俗・滑稽を中心とする連歌をいったが、近世に至って松永貞徳が連歌の階梯とされていた俳諧を独自なものとして独立させ、そのジャンルを確立した。以後、貞徳に率いられた貞門、西山宗因を中心とする談林と俳風が変遷し、元祿の松尾芭蕉に至って幽玄・閑寂を旨とするすぐれた詩として完成された。以後、享保期・与謝蕪村らの中興期・小林一茶らの文化文政期・天保期など特色ある時代を経て明治に至る。広義には俳文・俳論などをも含めた俳文学全般のことをもいう。
実隆公記‐文明一八年(1486)五月一七日「及晩誹諧二十首和歌可愚点之由、自室町殿之」
※俳諧・三冊子(1702)白双紙「亡師芭蕉翁〈略〉師の俳諧は名はむかしの名にして、昔の俳諧にあらず、誠の俳諧也」
※俳諧・談林十百韻(1675)下「一句に俳諧一つ二つ有事をして、惣体皆連哥なり」

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