保安委員会(読み)ほあんいいんかい(英語表記)Comité de Sûreté Générale フランス語

日本大百科全書(ニッポニカ) 「保安委員会」の意味・わかりやすい解説

保安委員会
ほあんいいんかい
Comité de Sûreté Générale フランス語

フランス革命期の国民公会において治安警察を担当した常任委員会。1792年10月2日に設置され、再三機構が変更されたが、最終的には12人の委員によって構成された。その警察機能において公安委員会と競争的地位にあったが、93年9月以降は公安委員会による委員の指名でその支配下に入り、いわゆる「恐怖政治」の遂行について両者はおおむね協力した。しかし、公安委員会が直属の一般警察局を設け、対公務員の警察権を保安委員会から奪ったことから対立がふたたび表面化し、ある新興信仰にロベスピエールが関係ありと称して、反公安委員会の気運を促進するなどして、「テルミドール反動」をもたらす一因をつくった。

[樋口謹一]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「保安委員会」の意味・わかりやすい解説

保安委員会
ほあんいいんかい
Comité de sûreté générale

1792年 10月2日フランスの国民公会によって組織された革命組織。治安委員会とも訳される。 J.アマール,ル・ジャンドル,ダビッド,P.ル・バ,バディエ,J.タリアンら 12名の委員から成り,反革命監視任務とした。 93年6月のジロンド派追放後は真の恐怖政治の主要機関となり,ロベスピエール一派の公安委員会と対立,94年テルミドールの反動にいたった。総裁政府のもとで廃止された。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

山川 世界史小辞典 改訂新版 「保安委員会」の解説

保安委員会(ほあんいいんかい)
Comité de sûreté générale

フランス革命期の国民公会内の委員会。治安関係を担当して公安委員会につぐ権限を有したが,1794年夏公安委員会に権限を制限され,テルミドール9日には反ロベスピエールに加担した。

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

旺文社世界史事典 三訂版 「保安委員会」の解説

保安委員会
ほあんいいんかい
Comité de Sûreté Générale

フランス革命期の国民公会の一委員会。治安委員会とも訳す
1792年10月設置。治安警察・行政を管掌し,1794年ロベスピエールの依拠する公安委員会と対立,テルミドール反動の有力組織となった。

出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報