俗体(読み)ゾクタイ

デジタル大辞泉 「俗体」の意味・読み・例文・類語

ぞく‐たい【俗体】

僧でない一般の人の姿。⇔僧体
詩歌などのありふれた様式
漢字俗字。また、その字体

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「俗体」の意味・読み・例文・類語

ぞく‐たい【俗体・俗態】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 僧でない、ふつうの人の姿。俗人のさま。
    1. [初出の実例]「夫(それ)神明は和光垂跡の方便まちまちに在(まし)ませば、或時は俗躰とも現じ、或時は女神ともなり給ふ」(出典平家物語(13C前)五)
    2. 「一旦其の容(すがた)を俗体(ゾクタイ)に替へ被ると雖も、世已に静謐の上は急ぎ剃髪染衣の姿に帰し」(出典:太平記(14C後)一二)
    3. [その他の文献]〔唐彦謙‐緋桃〕
  3. 風流でない様子。また、詩歌などの卑俗な表現様式。卑俗なスタイル。
    1. [初出の実例]「俗言、俗態といふ事、歌には専ら嫌ふ、連歌にも同じ事たるべく候哉」(出典:連歌教訓(1582))
    2. [その他の文献]〔滄浪詩話‐詩法〕

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世界大百科事典(旧版)内の俗体の言及

【略字】より

…ただし文字もまた一つの規範であり,〈略字〉という表現そのものの中に,規範に反するものとする若干の非難の気持ちのこめられることは,また十分にありうることであろう。かつての中国で略字が〈省文〉〈省字〉などと呼ばれ,〈俗字〉〈俗体〉と考えられたとき,そこにはそうした意識もありえたと思われる。黙認されてはいても,いまの〈簡体字〉ほど自分の存在を主張できるほどのものではなかったであろう。…

※「俗体」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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