俎板・俎・真魚板(読み)まないた

精選版 日本国語大辞典 「俎板・俎・真魚板」の意味・読み・例文・類語

まな‐いた【俎板・俎・真魚板】

〘名〙 (「まな」は食用の魚の意)
① 魚を料理するのに用いる板。また、広く食物などを包丁で料理するのに用いる厚い板。菜板(さいばん)。切盤(きりばん)
書紀(720)欽明二三年六月(北野本訓)「任那の族姓・百姓より以還(また)、刀を窮(きは)め俎(マナイタ)を極(きは)め」 〔十巻本和名抄(934頃)〕
※雑俳・柳多留‐七(1772)「まな板へ千人程の人だかり」
[語誌]現代日本語方言では、広く一般的に用いられているのは「まないた」であるが、その周辺に「きりばん」「さいばん」の地域(東北地方、千葉、茨城の一部、能登半島、九州)が分布している。この分布の仕方から判断すると、「さいばん」がもっとも古い語形かと考えられるが、「まないた」も挙例の「十巻本和名抄」に見えるから、かなり古い。

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