作髭・作鬚(読み)つくりひげ

精選版 日本国語大辞典 「作髭・作鬚」の意味・読み・例文・類語

つくり‐ひげ【作髭・作鬚】

〘名〙
① 昔、松脂(まつやに)と蝋をまぜたものを使って、髭の形をつくりあげたもの。〔日葡辞書(1603‐04)〕
太閤記(1625)一六「秀吉公例之作り鬚に眉作らせ鉄黒なり」
② 墨で描いた髭。江戸時代、奴などがした。
※俳諧・望一千句(1666)九「ながながの旅の戻りに錦着て 作りひげするなりのいかつさ」
③ 髭のない人が、髭の形に似せてつけるもの。俳優などが多く使う。つけひげ。仮髭。仮髯。
日本下層社会(1899)〈横山源之助〉四「頭には山高帽、これに擬髯(ツクリヒゲ)鼻下に置かば立派な紳士と見られ候ぞかし」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

土砂災害

大雨や地震が誘因となって起こる土石流・地滑り・がけ崩れや、火山の噴火に伴って発生する溶岩流・火砕流・火山泥流などによって、人の生命や財産が脅かされる災害。...

土砂災害の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android