作子(読み)つくりご

精選版 日本国語大辞典 「作子」の意味・読み・例文・類語

つくり‐ご【作子】

〘名〙
中世小作人別称地主から耕地宅地家屋農具種子肥料などを借り受けて小作するほか、地主の農事家事に従事する義務を負った。近世では小作人の中で一段身分の低い者を指してよんだ。
相良氏法度(1493‐1555)二四条「検断之所へ、作子置候者、主人可返」
他家より迎えた子・養子
※漢書帝紀抄(1477‐1515)高后第三「呂后のつくり子(コ)を多して置は、或は死もせられ、或は気にあはずはとりかへとりかへして」

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「作子」の意味・わかりやすい解説

作子
つくりご

江戸時代の隷属的農民名子 (なご) ,被官 (ひかん) ,門屋 (かどや) ,庭子 (にわこ) とほぼ同様で,小作人の一種。一地主から耕地全体だけでなく,住居,その他採草地などすべてを借受け,地主に対して農事その他に要する労働力を提供するほか,身分的にきわめて緊密な関係にあった。 (→名子被官制度 )

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世界大百科事典(旧版)内の作子の言及

【小作制度】より

…小作地の大部分は田畑であるが,屋敷地,山林などの地目も対象となり,一部の地域では牛馬などの家畜も小作の対象となっている。小作人の名称については作人,作子,門百姓,被官,名子などがあり,小作料は掟米,下作米,加地子,余米,入上米,小作奉公などとも呼ばれた。近世の小作制度に関しては,《地方凡例録》では直(じき)小作・別小作・永(えい)小作・名田(みようでん)小作・家守小作・入小作の6種類をあげている。…

※「作子」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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