佐川(読み)さかわ

改訂新版 世界大百科事典 「佐川」の意味・わかりやすい解説

佐川[町] (さかわ)

高知県中央部,高岡郡の町。人口1万3951(2010)。佐川盆地を中心とし,中央部を北流する仁淀(によど)川の支流柳瀬川の流域に発達した黒岩,佐川,斗賀野の各小平野に集落が散在する。町域の南縁は土佐・須崎両市に接し,JR土讃線と松山に至る国道33号線が通じる。中心集落佐川は江戸初期に土佐藩家老深尾氏の陣屋町として栄えた。佐川,斗賀野では良質米を産し,清酒醸造も行われる。山間部の傾斜地では畜産や茶,果樹が栽培される。南部の大平山は石灰石の産地で,斗賀野から積み出される。佐川は牧野富太郎の出身地であり,また田中光顕(みつあき)ゆかりの県下最古の図書館,青山(せいざん)文庫がある。

 なお,佐川町周辺は地質構造が複雑で,佐川造山運動の名称由来地でもある。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報