佐原河岸(読み)さわらかし

日本歴史地名大系 「佐原河岸」の解説

佐原河岸
さわらかし

[現在地名]佐原市佐原

利根川南岸にあった河岸場。所在地は同川に流入する小野おの川の河口からその上流約一・八キロの両岸とされており、両岸には「ダシ」と称される船着場が数多く設けられていた。寛永一一年(一六三四)佐原村は米二一〇俵を江戸浅草の御蔵へ納めて年貢を皆済しているが、その運賃として五分、米にして一〇俵が年貢米のうちから村方に与えられている(「部冊帳」伊能家文書)。これは当河岸からの年貢米津出しを物語るものであろう。延宝八年(一六八〇)には同村の領主が年貢米回漕の上乗(年貢納入責任者として年貢米とともに江戸へ行く者)の費用を負担し、米七升を支給している(「年貢勘定目録」同文書)。元禄三年(一六九〇)年貢米津出河岸としての公認を津宮つのみや河岸とともに受け、江戸まで川通四六里の運賃米は一〇〇石につき三石五斗であった(「幕府廻米津出浦々河岸之道法并運賃書付」徳川禁令考)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報