住持池(読み)じゆうじがいけ

日本歴史地名大系 「住持池」の解説

住持池
じゆうじがいけ

[現在地名]岩出町根来

根来ねごろ集落の北西山麓にあり、この辺りで最大の池。池の南東部に大中おおなか山・小中こなか山の二つの小島がある。「続風土記」によると池の西方堤上に水神と住持坊の二つの小祠があり、住持坊はこの池を作った僧を祀ったものという。また文化年中(一八〇四―一八)のある年の五月、池に三万羽にのぼる白鷺が飛来したが、これ以前にも五〇年ごとに訪れてきていたとの俚伝を記す。

「紀伊名所図会」は次のような伝えを記す。康和年間(一〇九九―一一〇四)この地の豪族室家右兵衛忠家の娘が和泉国の大原源蔵高広という北面の武士輿入れのため当池の堤を通りかかったとき、池の大蛇が娘を見初めて男子の姿に化し、娘を池中に引入れた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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