住吉神社(福岡市)(読み)すみよしじんじゃ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「住吉神社(福岡市)」の意味・わかりやすい解説

住吉神社(福岡市)
すみよしじんじゃ

福岡市博多(はかた)区住吉町に鎮座。旧官幣小社。底筒男命(そこつつのおのみこと)、中(なか)筒男命、表(うわ)筒男命の3神を主祭神とし、相殿(あいどの)に天照皇大神(あまてらすすめおおみかみ)、神功(じんぐう)皇后を配祀(はいし)する。摂津(せっつ)国(大阪府)、長門(ながと)国(山口県)の住吉神社と同様、古代日韓交渉に多く関係した。『続日本紀(しょくにほんぎ)』によれば、737年(天平9)に、朝廷が当社に使を遣わし、幣を献じて新羅(しらぎ)の無礼を告げている。筑前(ちくぜん)国一宮(いちのみや)と称されて尊崇を受けるが、鎌倉期以後になって当社は宣陽門院(せんようもんいん)~伏見(ふしみ)院御領、皇室領として存続し、神官佐伯(さえき)氏も御家人(ごけにん)として鎌倉後期には鎮西探題奉行人(ちんぜいたんだいぶぎょうにん)になるなど活躍している。近世には藩主黒田家より厚く崇敬され、1683年(天和3)祭田30石が寄進された。住吉造本殿は国重要文化財である。例祭10月13日。12、13日には流鏑馬(やぶさめ)や相撲(すもう)神事がある。11月7日歩射(ぶしゃ)祭が行われる。

[阪本是丸]

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