伽羅陀山(読み)からだせん

日本歴史地名大系 「伽羅陀山」の解説

伽羅陀山
からだせん

立山地獄じごく谷の最高地点、標高二三八〇メートルの赤裸の山。元禄一三年(一七〇〇)の立山禅定並後立山黒部谷等絵図(県立図書館蔵)をはじめ多くの立山絵図に記載、伽羅陀は地蔵浄土の意の梵語で、地獄谷の亡者救済の聖地とされた。江戸時代の絵図にも山上に祠を描き添えたものが多いが、今も山頂に小祠があって、石仏・石塔が多数安置されている。別名をエンコウヤマといい「今昔物語集」巻一七の立山地獄説話に登場する修行者延好の名にちなむともいわれ、地獄の業火高く立つことを意味する炎高山であるともいう。明治初年の神仏分離の際、仏教的名称を忌避して、炎高をホタカと読ませた時期があった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報