伊是名(村)(読み)いぜな

日本大百科全書(ニッポニカ) 「伊是名(村)」の意味・わかりやすい解説

伊是名(村)
いぜな

沖縄県島尻郡(しまじりぐん)にある村。沖縄本島、本部(もとぶ)半島の北方にある伊是名具志川(ぐしかわ)、屋那覇(やなは)、降神(うるがみ)の4島からなる。1939年(昭和14)伊平屋村(いへやそん)から分村。方音イジナ。伊是名島を除くほかの島は低く平らな隆起サンゴ礁の島で、無人島である。かつて、伊是名島の西に屋ノ下(やのした)島があったが、干拓され、伊是名島と陸続きになり、現在は伊是名空港がある(1998年完成)。伊是名島は、北西から南東方向へ走る高さ120メートルの山地からなる。今帰仁(なきじん)村運天(うんてん)港から定期航路がある。伊是名村は琉球(りゅうきゅう)王府第二尚(しょう)氏の始祖尚円(しょうえん)の出身地で、王府の直轄領地、北部の内花(うちはな)は、中東部の諸見(しょみ)の子村で、貢租の負担を免れるための隠田(おんでん)集落であった。現在、サトウキビ畜産水稲を中心とした農業が行われる。尚円王の生誕を伝える御臍(みほそ)所や、伊是名城跡など旧跡が多い。旧家の銘苅家住宅(めかるけじゅうたく)は国の重要文化財。面積15.43平方キロメートル、人口1322(2020)。

[堂前亮平]

『中本弘芳著『伊是名村誌』(1966・伊是名村)』


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